突然ですが、罪悪感で食事をすることありませんか?
おいしいけれどカロリーが高かったり、脂肪が多かったりする料理を食べるときに「罪悪感」という言葉が使われますよね。
食べたいものが食べられることはとても幸せなことです。
でも、食べたいという欲求と体が求めていることが必ずしも一致していないことも事実です。
罪悪感で食べるときは、体は要求していないものだと本能で感じているかもしれません。
今回は、食事内容を見直すことで発見した変化についてお話させていただきます。
マインドフルネス|食べる瞑想とは
食べる瞑想とは、今自分が何を食べているのか、どんな味がするのか、食物が飲みこめる状態になっているのかなど「今ここ」を感じることです。
マインドフルネスは、呼吸法のように瞑想の時間を設けるだけでなく、日常に採り入れることも可能です。
例えば、散歩しながら自分の体の動きに意識を向けたり、今目の前のやるべきことに集中することでもマインドフルネスになります。
ところで禅僧の生活をご存じですか?
もう数十年も前ですが、禅寺の取材番組を見たことがあります。
朝起きてからの日課が秒刻みのように決められているだけでなく、読経、食事以外にも作法がいたるところにありました。
一番の衝撃は、トイレに入る前の美しい作法でした。
法衣を着ているのできちんと着物を畳まければなりませんが、あまりの丁寧で美しい作法にため息がでるようでした。
後で知ったのですが、このような生活そのものが禅らしいのです。
その日、その時にやること、今すぐやることに集中する。
めんどくさい仕事でも今ここに集中して行動する。
負荷のかかる習慣を続けるには、集中しながらもフラットな状態が必要になります。
そして、これが究極の瞑想、マインドフルネスの状態なのだそうです。
自分の感情や欲望とは裏腹であっても、やるべきことをこなすには、一つ一つの動作に集中するしかないですよね。
マインドフルネスでいわれている「今ここ」に集中することと同じです。
マインドフルネスは、脳がデフォルト・モード・ネットワークという状態になり、思考がクリアになるといわれています。
マインドフルネスの効果
- 創造性が高まる
- ストレスが軽減される
- 集中力・パフォーマンス力がアップする
- ありのままを受け容れ情緒が安定する
マインドフルネスの状態とは「集中しているがリラックスしている状態」だそうです。
何だか、オリンピックのメダリストのコメントみたいですね。
ということは、マインドフルネスの状態は私たちのパフォーマンスをあげる心理状態といえるかもしれません。
食べる瞑想を加速させた『悔い改めは食い改め』
悔い改めは食い改め、最近、この言葉が身に沁みる年齢になりました。
この言葉は今から40年ほど前、大本青年部が発行していた月刊誌『まつごころ』にあった出口聖子大本四代教主さまとの対談記事で知った言葉です。
当時、教嗣さまになられたばかりの四代さまと青年部の方々との対談記事が、毎月連載されていました。
その連載の中で「食」についての対談記事があり、次のようなお言葉があったと記憶しています。
「食が一番大事」
「悔い改めは食い改め」
この『悔い改めは食い改め』という言葉は、当時の私には衝撃でした。
当時はその意味もよくわからないまま、最近になって身をもって感じることとなりました。
食べる瞑想になった食い改め
年齢を重ねると、今までのような無茶や無理ができなくなってきます。
生活習慣病の予防など真剣に考える年齢になって、何とか医療に関わることなく健康を保つ方法を知りたくなりました。
いろいろリサーチしていく中で目に留まったのは「砂糖抜き」です。
「砂糖抜き」をすると、体が疲れにくくなるだけでなくメンタルも安定するとのこと。
もともと料理には砂糖を使っていませんでしたが、試しにお菓子を買わないことにしました。
お付き合いの場では、お菓子を一緒にいただくことはあっても、自分から求めて食べないというゆるい砂糖抜きです。
ふしぎなことに、食べる機会が減ると欲しいと思わなくなりました。
体が軽くなり、気持ちが少しずつ前向きになっていくのが楽しくて甘いものを積極的に欲しいとは思えなくなってきます。
調子に乗った私は、さらに健康によい食生活について調べ始めました。
いろいろな情報がありましたが、大本でいわれている正食に近い方法がよいと思い、お米中心の食生活をすることにしました。
さらに、できる限り日本人が昔からやってきた調理方法で作ったおかずを食べると決めました。
具体的には次の2つがポイントです。
- 揚げ物や炒め物は極力控える
- 主食はお米にする
折しも蒸籠がブームとなり蒸し料理がトレンドになったことで、油を使わないレシピが多く紹介されています。
カレーも無水カレーのように作れば、油は必要ありません。
野菜はゆでるより蒸す方が味が濃く甘くなりますし、水も少なくて済みます。
魚やお肉から出る油だけでも、十分おいしいことに改めて気が付きました。
最初、物足りなくなるのではとおそるおそる始めたのですが、それがまた良かったのです。
満足感を上げるために、一口一口を味わって食べるようにしました。
数日経つと「ごはんがおいしい」「食べるって幸せ」「ありがたい」と思えるようになりました。
鼻に抜けるお米の香りが、こんなにも幸せを運んでくるとは知りませんでした。
これが、自然とマインドフルネスになったようで、食べているとしみじみ有難いのです。
今は、ごはんに味噌をつけて食べるだけでも、おいしく感じます。
しかも満足感があり、もっと食べたいという欲求も出なくなってきます。
体が疲れにくくなり、何より気持ちの浮き沈みがなくなってきたこともうれしい変化でした。
身土不二と季節食がもたらすものとは
今回参考にしていた正食では、身土不二、季節食が基本です。
身土不二とは、人間と人間が暮らす土地とは切っても切れない関係があるということであり、その土地のものを食べることが良いとされています。
ただし、その土地で採れたものの中でも、旬のものを摂る必要があります。
なぜなら季節ごとに採れる作物は、その季節の体に必要な栄養が含まれているからです。
思えば現在のような多彩な食材を使った食生活は、長い歴史のなかでは最近のできごとです。
その土地でしかできないものがあるように、その土地のものを食べていれば良いように人間も進化してきたといわれています。
長い間、日本人が生活のなかで培ってきた食事は、やはり日本人に一番あっているのではないかと実感しています。
私の場合はゆるい正食生活で、徹底した正食ではなかったのですが、食生活が生活の質をあげるために大切だということがわかりました。
一番良かったと思ったことは次の3点です。
- 肌の調子がよくなった
- 前向きになった
- 人間関係のストレスを受け流せるようになった
試しに始めたゆるい正食でしたが、こんな幸せが訪れるとは思いませんでした。
マインドフルネス:悔い改めは食い改め
長い間、日本人が食べてきたものが、これほど心と体に影響をもたらすとは思いませんでした。
これからは、医療とバランスをとりながら、健康的な食事を選んでいくことが大切だと感じます。
とはいっても、あくまで私の体験ですので、参考程度にしていただけたら幸いです。
末尾になりましたが、読者さまのご健康をお祈り申し上げます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。