「遺伝子組み換え技術のリスク」

遺伝子

「遺伝子組み換え」「ゲノム編集」

作物の「遺伝子組み換え」や「ゲノム編集」、農薬の使用量増加や残留基準値の緩和、種子・種苗法の問題など、私たちの食や農業、環境に大きなリスクが伴っています。

遺伝子組み換え技術は、特定の遺伝子を組み込むことで、自然界では起こり得ない現象を実現させる技術です。そのため、食品の安全性だけでなく、環境や生態系への影響も懸念されています。また、遺伝子という「生命の設計図」を操作することの倫理的問題についても、十分な議論が行われていません。

一方、ゲノム編集は、特定の遺伝子を狙って改変するバイオテクノロジーで、「ゲノム」と呼ばれる全遺伝情報を利用します。ゲノム編集では、標的以外の遺伝子領域に予期しない変異が生じるリスク(オフターゲット効果)が指摘されています。臨床応用においては、がん化の危険性なども問題視されています。

大本では、これらの技術を、「人間の域を越えた科学の暴走だと」警鐘を鳴らしています。

「世界の一部の学者は、人間が軽々しく踏み入ってはならぬ領域の研究をしています。いわゆる遺伝子を使った農業や医学、脳死状態からの臓器移植等です。その許されざる研究がもてはやされ、世界の脚光を浴びているのが大きな問題のように思われます。」(『出口聖子四代教主御教示集』)

遺伝子組み換え技術を用いたワクチン

新型コロナウイルスのパンデミックで注目を集めたmRNAワクチンは、ファイザーやモデルナによって遺伝子組み換え技術を利用して開発されました。これらのワクチンは、ウイルスのスパイクタンパク質の遺伝情報を含むメッセンジャーRNA(mRNA)を使用しています。mRNAワクチンは、遺伝子組み換え技術を用いてウイルスの遺伝情報を人工的に合成し、それを脂質ナノ粒子に包んで体内に届ける仕組みです。

一方で、一部の専門家は、新型コロナウイルスのmRNAワクチンが遺伝子組み換え生物製剤(GMO)の定義を満たすかどうかについて議論しています。

このような遺伝子工学技術を用いた製剤については、従来のワクチンとは異なるため、長期的な安全性や効果に関するデータが継続的に収集されています。新たな知見が得られるたびに情報が更新されており、こうした情報は信頼できる医療機関や公的機関から入手することが重要です。また、副反応などのリスクを正しく理解することも必要です。

さらに、10月から定期接種が始まるレプリコンワクチン(コスタイベ筋注)は、自己増殖型mRNA技術を使用した次世代型の遺伝子製剤です。遺伝子組み換え技術のリスクを理解し、適切な判断を行うことが求められます。

免疫システムと医療技術

人間には、自然治癒力や病原菌・異物を攻撃する免疫力が備わっています。従来の医学は、これらの力を活かして治療を行い、体への負担が少ない方法が重視されてきました。免疫システムは、侵入した異物を迅速に感知し、それに対抗する高度な仕組みを持っています。

しかし、近年の医療技術は、自然のプロセスを補うだけでなく、抑制や操作を行うことが増えてきました。たとえばワクチンは、特定の病原体に対する免疫を人工的に構築しつつ、他の免疫反応を抑えることもあります。

これにより短期的な効果が得られる一方で、長期的な影響については慎重な検討が必要です。

東海教区特派宣伝使 前田茂太