「今までのやり方でいいのだろうか」
目まぐるしく価値観が変わり続けている現在、こんな風に考えている方が多いのではないでしょうか。
漠然とした不安を感じるこの頃、マインドフルネスという言葉をよく聞くようになりました。
マインドフルネスは現在、医療プログラムやビジネスの場でストレスを減らし能力を高める方法として広まっています。
今回は大本で行われている鎮魂に通じるマインドフルネスと茶道の共通点から、その効果についてお話したいと思います。
マインドフルネスとその効果
そもそもマインドフルネスとは何なのでしょうか。
それは自分で評価をすることなく、今ここの状態を認識することです。
マインドフルネス瞑想とは
マインドフルネスの状態になるには、瞑想による方法が一般的です。
瞑想の方法を簡単にお話ししますね。
- 姿勢を正して座り10分ほど瞑目して呼吸に意識を向ける
- 瞑想中は「これは正しい」とか「あれは間違いだ」とかという判断はしない
- 今の自分の五感に意識を向けていく
このような瞑想を続けることで、ストレスが軽減されたり幸福感が得られる状態になるといわれています。
マインドフルネスのポイントは2つあります。
- ありのままの姿をみる
- 今という瞬間に目を向ける
悩みや不安の多くは過去や未来の出来事を心配したり、こうでありたいという姿になっていないことに不満だったりということが原因と考えられます。
「ありのままの姿をみる」ことは事実を事実として客観視することです。
「今ここ」にいる自分の状態を見つめることで冷静に物事をとらえられるようになるんですね。
瞑想を続けるメリットとは
マインドフルネスの瞑想を続けるメリットは何でしょうか?
それは自分を客観的に観察できるようになるということです。
例えば、腹を立てているときや落ち込んでいるときは、このままではいけないと感情を抑えてしまったり周囲に当たったりしがちですよね。
でもそれでは悩みを長引かせるだけでなく、周囲にまで影響を及ぼしてしまいます。
しかし同じ状況でも自分を客観的に見つめていれば状況は違ってきます。
- 私は怒っているな、あの失敗を悔やんでいるなとありのままを受け入れる
- 今の自分、自分の居場所を確認する
もう一人の自分が客観的に自分をとらえ認めるという感じでしょうか。
心理学では、怒りや憎しみといった感情は認めてもらうと心が軽くなるといわれています。
あくまで筆者の経験ですが、認めてくれる人が自分自身のみであっても心が軽くなるということがありました。
自分は怒っているな、悲しんでいるなと認識する、そのままを受け入れることは自分が思ってる以上に楽になります。
また、表面的な善悪で判断しないようにするということも自分を落ち着かせるのにとても有効でした。
マインドフルネスとメタ認知
瞑想を続けるとメタ認知が鍛えられるといわれています。
メタ認知とは物事を客観的にとらえ自分の考えていること(記憶、感情、判断)を認知することをいいます。
メタ認知ができると自分も周囲も楽になってきます。
主なことがらをあげてみましょう。
- 周囲への心配りができる
- 柔軟な対応ができるようになる
- 仕事への意欲が高まる
- 主観と客観の使い分けができる
このようなことができるならば悩みの大半は解決されてしまいますね。
いろいろな悩みも感情で考えずに、何が課題で何ができるかを考えることで本当の解決方法を見つけられるかもしれません。
今ここにいる自分に向きあうということは幸福感を感じるためには大切なのですね。
⇓悩みの本質と「今ここ」を考えることの重要さについて詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ。
マインドフルネスと茶道の共通点
マインドフルネスの瞑想は頭も気持ちも整理がつく方法ですが、なかなかその時間がとれない方もいらっしゃるでしょう。
瞑想による方法以外に、自分の日常の行動を自分で実況中継するという方法もあります。
例えば散歩のとき、左右の足の運び、肩や腕の動き、触れるものなどに意識を向けるという方法です。
そうすることで「今ここ」に意識を向ける瞑想と同じような状態になるんですね。
ここまで学んでみてふと、先日行かせていただいた茶道のお稽古を思い出しました。
茶道は道具を運び、清め、お茶を点てるまでに様々な作法があります。
一つ一つを確認しながら作法通りに進めようとすると、自然に自分で実況中継しながらお点前をしていることに気付きました。
そしてお茶が点てられる頃には、湯の沸く音や衣ずれの音さえ楽しめるほど五感が研ぎ澄まされてゆくのです。
それは何ともいえない幸せがふんわりとこみ上げてくるひとときでした。
茶道とは、「今ここ」に意識を向けることのできる総合的な芸術なのかもしれません。
マインドフルネスと鎮魂
「今ここ」に意識を向けるものとして、大本では鎮魂という行があります。
鎮魂というと亡くなった方の慰霊という感じに受け取られる方も多いかもしれません。
もちろんそういう意味合いもありますが、ここでいう鎮魂は瞑想に近いものです。
現在のいろいろな事柄や過去、未来への不安などに四散している意識を「今ここ」の自分に戻していくための行を鎮魂といいます。
大本でいう鎮魂には、2つの方法があります。
- 茶道のように日々の行いの中で「今ここ」に意識を向けるという鎮魂
- 作法に則った鎮魂
日々の行いの中の鎮魂は先ほど申しましたので、作法に則った鎮魂とはどういったものなのかについてお話しさせていただきますね。
簡単にいいますとまず、背筋を伸ばして座り、手を組んで軽く目を閉じます。
次に、大本のみ教えの本の拝読や歌を聞きながら鎮魂の姿勢にて瞑目するという方法です。
マインドフルネスとの違いがあるとすれば、自分でああしよう、こうしようと考えなくても導かれていくというところでしょうか。
神さまの福音を聞きながらの鎮魂には無理がありませんし、こうでなければならないというようなものでもありません。
あるがままにお任せするという感覚です。
⇓鎮魂の重要性について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ
たくさんの情報にあふれている今こそ、客観的に見つめる視点が大切になってきます。
この記事が読者さまの何かのお役に少しでも立てますように、お祈りいたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。