「み手代お取次ぎのご神徳談」

亀岡天恩郷風景

今から7年ほど前の事です。
「少し心臓の音に雑音があります。一度大きい病院で診てもらって下さい。」
次女が0歳5か月の赤ちゃんの頃、かかりつけのお医者さんを受診した時に、そう言われた事がありました。

心臓の雑音(心雑音)は長男にも言われたことがありましたが、特に支障はない無害性の心雑音という検査結果を受けていたため、今回もそれほど気にしていませんでした。

その後、お医者さんの言われた通りに、大きい病院を予約し、レントゲン検査やエコー検査を受けることになりました。そして、有名な小児心臓外科医に診ていただくことができました。

診断結果は「心房中隔欠損症」という先天性の心臓病で、心臓の上部にある右心房と左心房を隔てる壁の一部に4mmほどの穴が開いており、そのため心臓内の血流が異常となり雑音が生じているということでした。

2歳ぐらいまでに穴が自然に塞がる事はあるが、娘の穴の大きさでは少し難しいかもしれないということでした。また、自然に穴が塞がらなかった場合、成長していく過程で体力や風邪などの抵抗力に支障をきたす可能性があるため、手術による穴の閉鎖治療が望ましいと説明を受けました。

私達夫婦はこの思いがけない説明を受け、とても落胆してしまいました。幸いなことに、生死に関わる病気ではありませんでしたが、娘の小さな体に手術をすることを考えると、本当にかわいそうでたまらなかったのです。

その日から一生懸命、神さまに娘の心臓の穴が塞がるようにご祈願し、できる限りみ手代お取次ぎをさせていただくようになりました。

それから1歳の頃まで、経過観察の診察を受けましたが、穴の大きさはあまり変わっていない様子で、やはりお医者さんの言われたとおり、自然に穴が塞がるのは難しいのかもしれないと不安や少し諦めのような気持ちも出てきました。

しかし、娘の体のことを思うと可哀想でやるせない気持ちになり、とにかく神さまにお祈りするしかないという思いで、継続してご祈願とみ手代お取次ぎをさせていただきました。

そして1年後、2歳の頃の診察の時でした。この時、今までの担当の先生が異動されるということで、若い先生に引き継いで診ていただくことになりましたが、検査後にこの先生から思いがけない説明がありました。

「少し心臓の穴が小さくなっています。このままいくと自然に治る可能性が出てきました」と、先生は淡々とした口調で説明しました。これは私たちが一番聞きたかった嬉しい説明だったはずですが、驚きで言葉の意味を理解するのに少し時間がかかったような気がします。

説明では、「心臓の穴自体は大体3mm~4mmくらいです。赤ちゃんの頃に比べて心臓は大きくなっているため、その分穴も大きくなってくるものですが、小さくなっているのは塞がってきている兆候があるということです」とありました。

大変失礼なことですが、若い先生に変わったこともあり、正直に言うと、半信半疑の気持ちが少しありました。しかし、諦めかけていた自然治癒の希望が生まれたことで、とても嬉しい気持ちが湧いてきました。
その後も、私たちはこれまでの経緯に感謝しながら、神さまに継続してご祈願し、み手代お取次ぎをさせていただきました。

そして、3歳の頃の診察では穴はほとんど塞がっているということがわかり、4歳の最後の診察では「自然閉鎖」という言葉で、この心臓の病気が自然に治癒したという説明を受けました。
奇しくも、この最後の診察では、最初に診てもらったお医者さんが臨時で診察してくれることになりました。その瞬間、まるで若い先生の説明に半信半疑だった私たちに対して、神さまが「本当に治りましたよ」とおっしゃったかのような気持ちになりました。

娘は今、小学2年生になりました。毎日元気に学校へ通っています。娘の心臓の心配をしていた頃を思い返すと、再び感謝の気持ちが湧いてきます。

娘の病気の経験を通じて、み手代お取次ぎをさせていただき、そのご神徳を目の当たりに感じ、本当に驚きました。そして大本の信仰を頂き、神さまをお祭りさせていただいている有難さを改めて感じました。

これからも日常の中で様々なことがあると思いますが、神さまへの感謝を忘れず、大本の信仰、教えに沿った生活ができるように心がけたいと思います。

名古屋分苑 堀健太郎