節分といえば豆をまいて、厄払いをする行事です。
かけ声はもちろん、「鬼は外」「福は内」。
でも大本の節分祭は違います。
「鬼は内」「福は内」
なぜ「鬼は内」なのかというと、鬼といわれて押し込められた艮の金神さまは天地の創造主だからです。
今回は、大本の神さまと節分大祭のお話をさせていただこうと思います。
大本の節分大祓いとは
大本の節分大祭は節分の夜から立春の朝にかけて夜通し祈りがささげられます。
節分大祭のお祓いの神事は、個人の厄払いにとどまりません。
- 宇宙全体をお祓いする 大潔斎
- 世界をお祓いする 中潔斎
- 個人個人のお祓い 小潔斎
宇宙全体のお祓いは、75声の言霊と八雲琴の調べの中、舞姫による舞によって祓われます。
世界のお祓いと個人個人のお祓いは途切れることなく奏上される祝詞の中、身代わりとなる人型、型代の紙に書いてある国名や名前を読み上げて素焼きの壺に収めます。
その後、瀬織津姫といわれる女性が壺をもって和知川に向かい、祝詞を奏上し川へ人型を流してお祓いします。
>>節分大祭については大本公式ホームページをご覧ください。
次は、この徹底したお祓いをする理由についてお話します。
艮の金神の慈悲
節分の鬼とされた艮の金神ですが、本当の御名は、国祖 国常立尊(くにとこたちのみこと)という神さまです。
国常立尊さまはこの地上世界を治めていた主宰神でしたが、厳格な神さまだったために他の神々から煙たがられてしまい、やむなくご退隠されます。
押し込めた神々は二度とこの厳しい神さまが表に出ないようにさまざまな調伏行事(節句の行事)を設けて、現在に至っています。
この詳しい経緯については、こちらの記事をご参考ください。
>>「”艮の金神”を押し込める儀式とは」
厳格な神さまを失った地上はどんどん悪い方へと向かっていきます。
地上に充満する利己的な行いや暴力、怒り、悲しみ、恨み 嫉妬などの悪感情が宇宙を穢し、天災が頻発するようになります。
国常立尊さまはご退隠されたあとも、陰からこの世をお守りくださっていましたが、とうとうこのままでは世界がつぶれてしまうという事態となってきました。
そして明治25年の節分に、国祖・国常立尊さまは出口なお大本開祖に帰神されます。
この日が大本が開教した日であり、国常立尊さまが再び地上の主宰神として顕現された日なのです。
>>開教の経緯についてはこちらの記事にあります→”大本”開教の瞬間
雨風は地球の自浄作用ですが、穢れがひどくなるとそれに相応しての自浄作用がおこります。
天災の規模が大きくなるのは、さまざまな穢れがたまってしまったからなのです。
そして大本の節分大祓が宇宙全体までもお祓いするのは、災いの元からお祓いするという意味があります。
節分の大祓いは、人類にふりかかる災いをできるだけ軽く済ませてやりたい、「大難を小難に、小難を無難に」という国祖の神さまの慈悲なのです。
煎り豆に花咲く時節へ
豆まきのかけ声以外にも大本の豆まきには特徴があります。
一般の豆まきは煎った大豆をまきますが、これには「煎り豆に花が咲くまで出てくるな」という調伏の意味が込められています。
なので大本では生豆をまきます。
>>こちらの動画でもわかりやすく解説しています。ぜひ、ご覧ください。
節分が終わると立春ですね。
さまざまな苦しみ悲しみが、春へと向かいますようにと願います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。